2023年4月に[のんびりくらし]を閉店しました。
「テリーヌショコラ大好きでした」
「唯一無二のチョコレートでした」
など嬉しい言葉をいただきながらも営業を終了しました。

お客様がたくさん来店していただいていたにも関わらず閉店に至ったのは、[テリーヌショコラだけのお店]として続けていくための満足する材料が手に入らなくなってしまい、わたしたち自身が自信をもっておすすめできる商品を提供し続けることが困難になってしまったからです。チョコレートはもちろん、喜んでいただいていた型染め和紙の貼り箱も同様です。満足できる品質のものを現実的なお値段で提供することはほぼ不可能になってしまったからです。

そのことから、惜しむ心がありながらも「もっと身近なお菓子」と考えた結果、新しい歩みとして[ノタリ]というお店を始めました。「のんびり」という意味の言葉で、[のんびりくらし]の名前のイメージをそのままにした名前です。

そこでは「お客様にどうやったら喜んでいただけるか」だけに比重を置いて、「わたしたち」がどこにもいなくなっていました。だから、[のんびりくらし]でお客様に愛していただいた「わたしたちらしさ」を失ってしまい、なんの魅力もなければわたしたち自身の心が苦しいお店になってしまっていました。

でももっと素直に「わたしたちらしさ」を考えたところ、夫も妻も変わり者らしい夫婦にとっては、世間一般のことなどわかりはしない。そしてなによりわたしたちが楽しんでいなければ、お客様が楽しめるわけがありません。

もちろん、変わり者夫婦がやることですので、常識とはズレているかも知れません。でも変わったことをやりたくて考えているのではなく、普通に真面目にやろうとすればするほど、どうやら変わったことになってしまうようです。

常識に合わせることなどできないので、だから[のんびりくらし]がそうであったように、「わたしたち自身がやりたいこと」をやることしかできないと身をもって知ることができました。それが、「わたしたちが楽しめる」ことであり、「お客様が求める心地よいもの」になると今更ながら気づいたのです。

…

お客様もわたしたちもお互いが幸せに成長しあえる場所でありたいと願い店名も新たに歩み始めます。

[OYATSUYA（オヤツヤ）]には、日常に溶け込んで親しみやすい「おやつ」を作るお店と知ってもらいたいから店名の冠にしました。

[tortoise]は亀のこと。「亀は万年」と言われるように長寿でとても縁起の良い生物と考えられてます。また甲羅の六角形は吉兆を表し、小判に似ているため金運の象徴としても扱われます。

OYATSUYA tortoiseは、「出会ったみなさんとともに末永くずっと幸運であるように」との思いを込めてカメの名前をつけました。長い人生だから、ずっと健康でありたいからおいしい素材で。ウサギみたいな凄い才能はないけど、きちんと足元を見ながら地道に成長していけたら良いなと考えてます。

お客様も私たちもお互いが亀のようにいつまでもずっと幸せで寄り添っていけるよう思いを込めて名づけた店名です。

「おとなとこどものおやつの店」OYATSUYA tortoise 店主夫婦